映画館の近くの薔薇
今年になって初めて撮った花は
秋田市内へ出かけた折に
映画館の近くで咲いていた小さな薔薇だった。
2月の半ば。
日本海に近い秋田市内は
私の住む山が近い街より少しは暖かいらしい。
「クリムト」という映画を観た。
http://www.klimt-movie.com/
クリムトはモデルの女性と次々関係を持ち
ウィーンには彼の子どもが30人ほどいた、という。
いいなあと思ったシーン。
*
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雪の夜、彼の子どもを産んだことのある女性を伴い
エゴン・シーレがクリムトの前に現れて
「彼女と結婚するんです」
と告げる。
クリムトは
「ああ、そうですか。それはおめでとう」
とだけ。
以前に、この彼女がおずおずと
「この子をユダヤの教えに則って育てたいのだけれど
あなた、許してくださる?」*1
とたずねて
「ああ、構わないよ。君の好きなように」
と答えたときと同じ。平然と穏やかに。
やはりこの彼女、クリムトとの子どもが外で
同じアパートに住む中国人の子どもと遊んでいると
飛んで部屋へ連れ帰り
「汚らしい中国人とは関わっちゃだめ」
とその子を激しく叱る。
クリムトはそれに対し
「中国人と遊ぶと何かいけないのか」
この映画の中のクリムトと言う人は
一見、寛容なようでいて
本当は周りに何の関心もないだけの人らしい。
そういう微妙な残酷さをみせてくれる作品は好きだ。