鶏頭



 先週、秋田のココラボラトリーというギャラリーで「Monotone」というガラス細工&写真コラボレーション展示を見た。
 写真の方の作家さん、デイビット・ライトのサイト:http://davidwrightphotography.com.au/index.html

 展示にはこのサイトに載せてる作品が何点かあった。つまり、元はオールカラー作品。しかも、ランドスケープを除けば全てデジカメで撮影したものだそうで。

 フォトショップ等の画像処理ソフトを使えばカラーをモノクロ化すること自体はワケなく出来ること。けれども、去年、東京で行ったデジカメによるモノクロ展示で作家さんの話は「やっぱ、モノクロは銀塩とデジタルの差がまだ大きい、例えばフィルムスキャンから始めたものと、デジカメデータでは同じインクジェット出力でも黒の締りが違う」ということだった。その方の言うところの“違う”は、その方の作品を通して理解できたし、その方が目指している作風としては、それで構わないゆえ展示しているということ、それはそれで一つの考えであり十分、納得できた。

 ところがディビッドさんの展示ではハッセルブラッドで撮影したランドスケープと、デジタル一眼で撮影したそれ以外とが、私には区別がつかなかった。彼はフィルムカメラで出来ることで、デジタル一眼で出来ないことはない、と言い切っていた。ランニングコストを考えると、デジタルにフォーカスした方が割安と判断し、ハッセルを売ってしまい、そのお金をデジイチ購入資金にしたそう。


 確かに去年話を聞いた人のデジタル一眼は、EOS kiss。ディビッドさんのはEOS 5D。全く価格帯の違う高級機。つまり彼は、5Dならハッセルと変わらない画質と踏んだということ。そして紙もコットン100%の顔料インク専用の超高級紙。いくら使えるかの違いによって、見えてる世界も違うってことなのか???


 彼はとても気さくで親切な人でノートパソコン上で、展示の中のランドスケープ作品を例にして、フォトショップ作業のプロセスまで丁寧に教えてくれた。


 私は展示とサイト両方ある作品の中ではWedding*1の最下段の左端の写真が好きなのだが、オリジナルのカラー作品ではファッションフォトっぽい雰囲気。一方、モノクロの展示作品は非常にアートな雰囲気。フォトショップでの細かい焼きこみの設定とか、フィルターワークの違いか。多分。


 こうやって一つの原版(データ)から、様々な雰囲気に作りかえられるというのは非常に魅力的。フォトショップでの「加工」というと、勝手にCGみたいな別世界なものは得意だけど、暗室作業的なものはそれほど得意でもないのかなと思っていたのだけれど。


 でも結局、お金がかかるという限定付きか?デイビッドさんからは、秋田での値切りのテクも教えていただきましたが(笑)。

*1:妹さんの本当の結婚式の写真だそうです。