花火


 何を今さら、だけど。

 フォトショップはそれまで使っていた、自動補正機能ぐらいしか使えないちゃちなソフトとは違う。スキャナーは変わっていないが、取り込んだ時点で色合いとか微妙に違うし、加工、というより、暗室でもやっていたけど、それ以上の微妙な補正機能が搭載されているので、以前は何とも思っていなかった平凡なコマがはっとするぐらいの違う像に見えてくることもある。反物を冷たい川の流れにさらすことで、本来の鮮やかな色や模様が浮き立ってくるように。

 ただ、今の私には使いこなせるだけの知識がないし、悠長にテキストなんか読んでいては個展準備が間に合わない、ということ。

 ただ、時々、思いつきでいじったときに、おおっ!と思う発見がある、ということ。
 

 去年の夏、年末の予定である展示のお話をいただいた。会場の関係で写真プリントでできるサイズよりも大型印刷で出力した方のが絶対に映えるというか、そのくらいのデカさがないとダメという理由からフォトショップを購入した。印刷屋はフォトショップデータしか受け付けてくれないから。その展示話は結局のところ流れてしまったが。

 半年後、インクジェットプリントで個展をすることになるなんて想像してなかった。