the art conference -美術と場-
The art conference というアートに関する企画が、今年に入ってから秋田市で定期的に行われております。
今回はneoteny japan AKITA supporters projectの一貫として、秋田市のフォーエバー現代美術館との共同企画という形で
10/26(月)にあり、参加してきました。
以下、The art conference AKITA ブログ(http://theartconference-akita.blogspot.com/)から引用。
美術展示のプロ(インストーラー)として活躍する有元氏と、
フォーエバー現代美術館の企画を担当されているキュレーター岡本氏をお迎えし
美術展示とその現場のお話を中心に美術館でもギャラリーでもない新しい美術の場の可能性について
様々な事例を紹介しながらディスカッションいたします。パネリスト :有元 利彦(HIGURE 17-15cas contemporary art studio)http://higure1715cas.bufsiz.jp
岡本 夏佳(FMOCAキュレーター)http://www.fmoca.com
モデレーター:笹尾 千草(ココラボラトリー )
特別ゲスト :村山 留里子 (現代美術家)
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インストーラーという仕事?職業?があることを初めて知りました。
一言でいえば、展示空間の設計・設営をする人。
けれども、カバーする範囲は広く、時に、
作家と一緒に、作家の意図をくみ取りながら、手となり足となって
大型作品をも作り上げる裏方。
ただし、技術職とは思っていない。
極論をいえば、作品自体はどうでもいい、
人(作家)を見る、その人が面白い人かどうかに興味がある、
その人の考え、イメージしていることをくみ取り、どれだけ理解できるか。
この仕事には、コミュニケーション能力が一番重要だと思っている。
…というようなお話をされていたのが印象的でした。
作家にとって心強いパートナーであると同時に、怖い存在でもあるな、と。
現代美術の野外展示作品は何年もたって時代が変わり、受け取る側が変わってしまえば
「道しるべ」(←象徴的な意味ではなく、文字通りの意味)にすぎなくなってるんじゃないだろうか*1、とか。名言。
前職場が直島の地中美術館でもある岡本さんのお話は、海外の最先端の美術展示のお話が中心。
スライドに目を奪われて、メモをちゃんと取ればよかったと後で反省。
ただ、お話とは直接は関係ないことなのだけれど、
唐突に頭によぎったことは、
アートというものが行き着く先(の一つ)が、
形を、美を愛でるという要素が消え、
コンセプトや主張、または見た人に考えさせる何かを提示する活動というか
なんと言ったらいいか、例えていうなら
肉体を持たない、純度の高い魂だけの存在になったヒトのような
それは究極の進化なのか、(旧人類的には)ヒトではないのか
そんなことでした。全く持って超・飛躍です。
モデレーター役でココラボラトリー主宰の笹尾さんのお話のエッセンスは、
以下のコラムでも感じることはできるように思います。
興味のある方は是非。
●ネットTMA(トヨタアートマネジメント) リレーコラム第45回
奇跡のバランスでなりたつ美術の場所:http://www.nettam.jp/topics/column/45/
ただし、あくまでもエッセンス。
ライブで、直に聞けるお話の方が圧倒的に情報量が多いといいましょうか…感動しました。
ココラボという“場所”を作ったら、ふらりとチャリに乗って村山さんがやってきた、のくだりとか面白かったです。
そして「何もかも受け入れてきたからこうなった」。
なかなか出来ることではないと思います。
*1:でも、それでいいんじゃないかとも思う、と続けていた…と思う。たぶん。